大遠忌局報(三)
今大遠忌名称「永平寺二祖懐奘禅師七百五十回大遠忌」について
令和7年8月1日
今大遠忌名称「永平寺二祖懐奘禅師七百五十回大遠忌」について
〈「国師号」について〉
「国師号」は一般信徒への布教・教化を第一に考えた際、伝わりやすさを考慮して使用を控えております。
〈「孤雲」について〉
従来、字(あざな)や道号とされてきた「孤雲」について、懐奘禅師自ら使われたという記録はありません。実際、『永平寺史』(巻上・160頁)では「孤雲は懐奘の号や字ではない」としており、こちらも使用を避けることといたしました。
以上を南澤道人不老閣禅師に具申しご裁可を頂戴し、今大遠忌の正式名称を上記のものといたしました。
〈主題「光明」について〉
今大遠忌、南澤道人不老閣禅師は『正法眼蔵』「光明」巻より御言葉を戴き、「光明」を大旆として示されました。
懐奘禅師さまは、師匠である道元禅師さまのご著書『正法眼蔵』をはじめ多くの御示しを書き写され、今を生きる我々に遺されております。この御教えは「仏祖の慧命(えみょう)」とも、「智慧(ちえ)の灯明」とも表されます。
そしてこの明かりについて、道元禅師さまは「世の中の、誰の中にも豊かに備わっているけれども、機能として働かせなければ、具体的な明かりとして輝いていかない(修せざるにはあらわれず、証せざるにはうることなし)」とお示しです。
この御教えを受け、我々は智慧の光明を仏行(ぶつぎょう)として働かせていくこと、日常生活の中で実践していくこと、更にはそれを皆さまに伝え広めていくことが肝要であると思うのであります。
今大遠忌を迎えるにあたり、このような意味から「光明」を、我々も皆さまも共々に改めて学び直し、大切な方々にお伝えしながら、この尊い機能・智慧の光明を引き出し合ってゆく世の中になるよう、共々に精進して参りたいと願うのであります。
大遠忌事務局