ご挨拶

大本山永平寺 
第八十一世貫首 羽仁素道




幾登龍門拜祖影
隨縁遷董感慨新
老残欲進此一歩
放下全身盡至眞



 一週間にわたる授戒会、大変ご苦労さまでございました。
 このたび、南澤禅師様の後を継いでご本山でおつとめさせていただくこととなりました。
 山内の皆さまと一緒に御開山さまの報恩行につとめると共に、全国皆さまのご多幸とご本山の隆昌に身心を尽くして参りたく存じます。
 ここにお力添えをお願いし、挨拶に代えさせていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。

(九月二十九日 入山式の折り 文責編集部)





恩 謝

大本山永平寺 
東堂禅師 南澤道人




 謹んで一言挨拶を申し上げます。
 今般、加齢と共に四大不調が加速致しまして、貫首の重責に堪えず誠に申し訳なく存じ、来る四月二十九日報恩授戒会完戒と併せて本山八十世の座を退董させて頂くこととなりました。
 思えば令和二年九月二十九日の高祖大師正当献供諷経をお勤め頂いて御退董された福山諦法猊下の後をお勤めすることとなり、誠に浅学不徳の身をも省みず猊座を汚し申し訳なく存じます。
 今日まで凡そ五年半、本山重役、全国ご寺院・檀信徒の皆様、又地元福井県内各界の皆様方のご支援ご法愛を賜り、何とかお勤めさせて頂き深く感謝を申し上げます。
 時代の進展は著しく急速で、私達の身辺も国内国外ばかりでなく宇宙空間から電子の世界へと広がり、人々の心も複雑に悩まされることですが、人間独りの生命はかけがえの無い大事なことは昔も今も同じ事であります。人の生命は孤々の唯一つの光明でありましょう。
 お釈迦さまが法灯明(神仏の光明)と自灯明(人間の生命の光)が最も大切な拠り所となることを説かれましたが、此の事は時代が変わっても決して変わらない真理であります。
 高祖大師も「我等が行持によりて諸仏の行持現成し諸仏の大道通達するなり」と正法眼蔵より修証義にお示しですが、自灯明が輝くと神仏の法灯明が更に輝き、増幅されて一段と輝く事が信仰の世界の尊さでありましょう。
 皆様と共に「如是の法」を信じ新しい時代に希望を委ねたいと存じます。
 至らぬ言葉を重ねましたが、心から感謝を申し上げ退董の辞とさせて頂きます。



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